機械エネルギー工学実験 T-3 鉛直管周りの自然対流 実験手順 その5
臨界グラスホフ数の計算(1)
ここから臨界グラスホフ数を計算します。
まずExcelで代表温度を求めます。18Aのセルに「代表温度」と書いてください。その隣の18Bに代表温度を計算します。
代表温度Trは次式の通り壁面温度の平均値Twと周囲スピンドル油温度T∞の平均なので、表面温度J3の二分の一、周囲スピンドル油温度G3の値の二分の一を足すことで求まります。
Tr = (Tw + T∞) / 2
求めた代表温度をwordの「表 計算値3(熱伝達率と無次元整理)」に記入してください。温度の有効桁数は小数第一位までです。
臨界グラスホフ数の計算(2)
代表温度からスピンドル油の物性値(体膨張係数β、動粘性係数ν)を下の表より求めます。物性値のデータは下の表の様に限られた温度の値しかないため、間の値を内挿計算で求めます。(表の出典:西川兼康・藤田泰伸,「伝熱学」, 理工学社, (1982))。
温度T / °C |
20 |
60 |
100 |
動粘性係数ν / (m2/s) |
0.150×10-4 |
0.495×10-5 |
0.244×10-5 |
体膨張係数β / (1/K) |
7.4×10-4 |
7.5×10-4 |
7.7×10-4 |
上表の3行4列の表をコピーしてexcelの計算中のシートのA20のセルに貼り付けます。
臨界グラスホフ数の計算(3)
貼り付けた値の10の乗数が読み込まれていません。
動粘性係数と体膨張係数の「×10」を「e」に書き換えます。6ヶ所あります。
数値として表示されていることを確認してください(下図のように表示されます)。
臨界グラスホフ数の計算(4)
下の図の内挿計算の例を参考にしてH21とH22のセルに動粘性係数と体膨張係数の代表温度での値を計算します。下の例のρにνやβを入れて計算してください。
求めた動粘性係数と体膨張係数をwordの「表 計算値3(熱伝達率と無次元整理)」に記入してください。
その際、E-05という表現は一般的なものではないので、必ず×10と上付きの数字に置き換えてください。
臨界グラスホフ数の計算(5)
グラスホフ数を計算します。
wordの「表 測定値1」の乱流遷移位置が必要なので、excelのA24セルに「乱流遷移位置」と記入して隣のB24にwordに記入してある値を"m単位"で記入してください(wordの表は"mm"です)。
A26に「グラスホフ数」と記入し、隣のB26に次式の通り計算します。ここで、g [m/s2]は重力加速度、β [1/K]は体膨張係数、x [m]は乱流遷移位置、ν [m2/s]は動粘性係数で、重力加速度g [m/s2]は9.81 m/s2として計算します。
グラスホフ数は10の6乗程度の大きな値をとります。
求めたグラスホフ数をwordの「表 計算値3(熱伝達率と無次元整理)」に記入してください。
先ほどと同じように、E-05という表現は一般的なものではないので、必ず×10と上付きの数字に置き換えてください。
ここで求まった臨界グラスホフ数が乱流への遷移の条件です。
温度分布のグラフの作成
三回分の温度分布のグラフを作成します。
上のページを参考にし三回分のグラフを作ってください。
グラフを作る際は下の「+」を押して新しいシートで作業をしてください。
距離は自分で記入します。温度は計算結果をコピーして貼り付けのオプションで「値」を選んで貼り付けます。
wordファイルの表の後ろの「記入3」の位置に完成した温度分布のグラフを貼り付けてください。
3回目まで計算が終われば実験当日の作業は終わりです。